ダンサーにとって表現力は、技術的なスキルと同じくらい重要です。表現力があれば、音楽のイメージを形にするだけではなく、観客にも感動を与えられます。
とはいえ、「どうやって表現力を身に付けたらいいのかわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、ダンスの表現力を高めるための具体的な方法を紹介します。ダンス以外で表現力を高める方法についても解説するので、最後まで読んで参考にしてください。
ダンスにおける表現力とは?
そもそも「表現力」とは、どのようなスキルなのでしょうか。結論から述べると、自分が持っている思考や感情などを人に伝える力です。
ダンスにおける表現力は、言葉ではなく動きや表情などを通じてダンスのイメージを形にすることです。
例えば、悲しい雰囲気の曲で踊る場合は、その曲が持つ悲しさを身体で表現する必要があります。
ダンスのイメージを形にするだけではなく、それを正確に観客に伝えなくてはなりません。そのため、身体全体を使って、ダンスのイメージを伝える表現力が重要になってきます。
以上のことから、表現力はダンスに欠かせないスキルの1つです。技術的なスキルと同じように練習を積み重ね、表現力を磨いていきましょう。
ダンスの表現力を高めるための方法9つ
ダンスの表現力を高めるためには、どうしたら良いのでしょうか。ステップなどの技術的なスキルとは違い、ダンスの表現方法には正解がないので、困っている方も多いはずです。
ここでは、ダンスの表現力を高めるための具体的な方法を9つ紹介します。ダンスの表現力に磨きをかけたい方は、参考にしてみてください。
ダンスの振付を確実に覚える
ダンスの表現力を磨く前に、振付を確実に覚えることが大切です。振付を覚えるのに精一杯な状態では、ダンスや音楽に集中できません。表現力を鍛える練習では、顔の表情や全身のパーツに意識を向けるので、振付ができていないと全てが中途半端になってしまいます。
まずは、曲を流して自然に身体が動き出すまでのレベルを目指しましょう。無意識でも振付が完璧に踊れるなら、身体が振付と音楽を十分に理解している証拠です。
音楽をよく聴く
ダンスの表現力を高めるには、音楽をよく聴きましょう。
ダンスは音楽を身体で表現するものなので、音楽をきちんと理解することが大切です。例えば、歌詞の意味を調べたり、曲の雰囲気を言葉で表現したりすると良いでしょう。
音楽をよく聴いていくうちに、「その音楽をダンスでどう表現したいのか」といったイメージがつかめるはずです。
歌詞に合った振付を取り入れる、曲の雰囲気に合わせて動きに緩急をつけるなど、1つの音楽でもさまざまに表現できます。
振付を確実に覚えたら、音楽に身をまかせて踊ってみるのも良いかもしれません。
音楽の世界観に入り込む
ダンスの表現力を高めるには、音楽の世界観に入り込みましょう。「音楽の世界観に入り込む」とは、例えば俳優などが役者になりきるようなイメージです。顔の表情や身体の動き1つにしても、魂を込めてその役を演じています。
音楽の世界観に入り込むためには、曲の中の登場人物を自分なりにイメージして演じるようにしましょう。
歌詞の意味や曲の雰囲気、曲に込められた想いなどを知ることは、表現する際の重要なヒントになります。
表現力が高いダンサーを観察する
ダンスの表現方法には正解がないので、自分の頭で考えて形にしていく必要があります。
しかし、いきなり自己流で表現力を高めていくのは難しいので、表現力に長けているダンサーを観察すると良いでしょう。
観察していると、表情、身体の使い方や魅せ方などの学びが多いはずです。そして、良いと思った表現を真似て自分のダンスに取り入れてみましょう。
どんなダンススキルを習得するにも、反復練習が大切です。「真似て実践する」を繰り返すことで、表現力も徐々に磨かれていきます。
常に正しい姿勢を保つ
常に正しい姿勢をキープして踊りましょう。一見、姿勢と表現力はあまり関係ないと思うかもしれません。
しかし、猫背のように姿勢が悪いまま踊ると、「自信がなさそうに見える」「表情がよく見えない」「振付が上手く見えない」など、ダンスの表現力にも影響を与えます。
ダンスの表現力を最大限に引き出すためにも、背筋をしっかり伸ばして姿勢良く踊るように意識しましょう。
身体を大きく動かす
身体を大きく動かして踊ることも大切です。ダンサーが踊るステージの多くは観客から離れているため、動きが小さいとよく見えません。
せっかく表現力を磨いて踊ったとしても、動きが小さければ伝わらないので、身体を大きく動かすことを意識しましょう。
特にほかの部位よりも面積が小さい顔は、少しオーバーだと思うくらいに顔面の筋肉を使って表情をつけると良いです。
音楽に合わせて緩急をつけて踊る
音楽に合わせて緩急をつけて踊るのも、表現力を高める方法の1つです。
音楽をよく聴き、音やリズムの強弱を身体の動きで表現します。メリハリをつけて踊れるようになると、表現が洗練されて動きもダイナミックさを増します。
単調だったダンスが見違えるほど上手くなり、音楽のイメージが観客により伝わりやすくなるでしょう。
表情を意識して踊る
ダンスの表現力において、表情の要素は欠かせません。どんなに踊りが上手くて、技術的なスキルがあったとしても、無表情ではダンサーとしての魅力が半減してしまいます。
一方、歌詞の意味や曲の雰囲気に合わせて表情をつけるだけで、ダンスが一気に華やかな印象に変わります。
まずは笑顔で踊る練習をして、慣れてきたら曲の世界観に合わせて喜怒哀楽を表情で表現しましょう。表情を意識して踊ると、ダンスに躍動感が出て表現力が増します。
目線を意識する
目線によっても、ダンスの印象がガラリと変わります。ダンスは鏡で自分の姿を見ながら練習をすることが多いので、目線が真正面になりがちです。真正面でも問題はありませんが、どうしても素人感や単調な印象が拭えません。
ときどき目線を外したり、斜めを見たりするなどして、こなれ感を演出しましょう。目線を意識するだけで、独特な雰囲気を作れます。
ダンス以外で表現力を高める方法
表現力はダンス以外の方法でも、高めることができます。
ここでは、ダンス以外で表現力を高める方法を詳しく紹介します。
自分のことを知る
自分のことをきちんと知り、自分らしさをダンスで表現しましょう。人によって得意・不得意な分野や感受性は異なりますし、それがダンスにおける「個性」につながります。
自分がどんなときに、「楽しさや悲しさを感じるのか」「生き生きして見えるのか」「かっこよく見えるのか」などを知っておくことが大事です。
多くの芸術に触れる
ダンス以外で表現力を高めるには、芸術に触れる機会を設けましょう。五感に働きかけることで、表現力に必要な創造性や発想力が養われます。
例えば、以下のような芸術鑑賞がおすすめです。
- 違うジャンルのダンスの発表会を見に行く
- 演劇やコンサートを見に行く
- 美術館を訪れる
他分野の芸術から、何か良いインスピレーションが得られるかもしれません。
映画や本で想像力を養う
表現力に必要な想像力を養うためには、映画を鑑賞したり、本を読んだりすると良いでしょう。
映画は自分が経験したことがない世界を見せてくれるので、知見を広められて表現力の幅が広がります。
役者の表情などを参考にするのも良いでしょう。また読書は、想像力を養うのに役立ちます。
表現力を高めてダンスに磨きをかけよう!
この記事では、ダンスの表現力を高めるための方法を紹介しました。
ダンスにおける表現力は、動きや表情などを通じてダンスのイメージを形にすることです。ダンスのイメージを観客に伝える表現力は、技術的なスキルと同じくらい重要になります。
表現力を高めるためには、以下のポイントを意識して練習するようにしましょう。
- ダンスの振付を確実に覚える
- 音楽をよく聴く
- 音楽の世界観に入り込む
- 表現力が高いダンサーを観察する
- 常に正しい姿勢を保つ
- 身体を大きく動かす
- 音楽に合わせて緩急をつけて踊る
- 表情を意識して踊る
- 目線を意識する
表現力を鍛えたいときは、今回紹介した方法を参考にしてみてください。
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